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黄斑ジストロフィーとは?症状と障害年金請求の手引き
2024.07.16
黄斑ジストロフィーとは
黄斑ジストロフィーとは、生まれつき持っている遺伝子の影響で、目の奥にある網膜の中心部分である「黄斑」が徐々に傷んでいく病気の総称です。この黄斑の損傷により、両目の視力が下がったり、見える範囲が狭くなったりします。黄斑ジストロフィーには、傷んでいく細胞の種類や原因となる遺伝子の違いなどにより、「卵黄状黄斑ジストロフィー」「スタルガルト病」「錐体杆体ジストロフィー」「オカルト黄斑ジストロフィー」「X連鎖性若年網膜分離症」など、いくつかの代表的なタイプが知られています。ただし、これらのタイプに当てはまらない、分類が難しいタイプの黄斑ジストロフィーも数多く存在します。 黄斑ジストロフィーが起こる原因は、網膜の細胞の構造や働きに関係する遺伝子に異常があるためですが、具体的にどのようにして病気が進行していくのかは、病気のタイプによって異なります。また、まだ解明されていない部分も多いのが現状です。遺伝のパターンも、両親のどちらか一方から受け継ぐタイプ、両親の両方から受け継ぐタイプ、女性からは受け継がずに男性のみに現れるタイプなど、様々です。残念ながら現時点では、根本的な治療法はなく、主に病気の進行を遅らせるための対症療法が行われています。黄斑ジストロフィーの症状
黄斑ジストロフィーの初期症状や症状の現れ方は、病気のタイプや個人によってばらつきがあります。多くの場合、両目のゆっくりとした視力の低下が主な症状となります。次第に物を見る中心部分がぼやけてきて、文字を読むのが難しい、人の顔がはっきりと分からないなどの症状に気付くことが多いです。これ以外にも、明るい光がまぶしく感じる(眩しさを感じる)、色の見え方がおかしくなる(色の区別がつきにくくなる)などの症状もみられます。 黄斑ジストロフィーになる年齢は、病気のタイプによって異なりますが、子供の頃から大人になるまで幅広い年齢で発症します。一般的に、発症が早ければ早いほど将来的な見え方への影響は大きく、かなりの視力の低下を引き起こすことが多いですが、大人になってからゆっくり発症するタイプでは、比較的視力が保たれやすい傾向にあります。最終的に全く見えなくなるほどの視力低下になることは少ないですが、日常生活で大きな不自由を感じるレベルまで見え方が悪くなることはよくあります。黄斑ジストロフィーの障害年金の認定基準とは
黄斑ジストロフィーは、難病の中でも指定難病に指定されており、一定の条件を満たせば医療費助成や障害年金の対象となります。難病指定の条件は、良好な方の眼の矯正視力が0.3未満まで低下した場合とされていますが、障害年金の認定基準は以下の通りとなります。 視覚障害障害の程度 | 障害の状態 |
1級 |
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2級 |
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3級 |
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参照元:日本年金機構
障害年金を請求する進め方
障害年金を請求する手続きの進め方は以下の通りです
- 初診日を調べて特定する
- 受診状況等証明書を取得
- 診断書(肢体の障害用)の作成を依頼
- 病歴・就労状況等申立書を作成
初診日を調べる
障害年金の請求には、「初診日」が非常に重要となります。なぜなら、初診日時点に加入していた年金制度(国民年金もしくは厚生年金)によって、受給できる障害年金が異なるからです。さらに、初診日前日までに保険料納付要件を満たしているかどうかを判断するためにも必要となります。
受診状況等証明書を取得
初診日を証明する書類として、受診状況等証明書があります。初診から請求する時まで、同一医療機関に通院している場合は、受診状況等証明書は必要ありません。しかし、初診の医療機関と、現在通院する医療機関が異なる場合、初診の医療機関で受診状況等証明書を取得する必要があります。
診断書の作成を依頼
障害年金の審査で一番重要なものは、診断書の内容です。
ご自分の状況をいかに主治医に詳しく伝えて、診断書に反映させてもらうかが重要です。
病歴・就労状況等申立書を作成
「病歴・就労状況等申立書」は、初めて医師の診察を受けた時の経緯、発病から現在までの経過を整理して、年月順で記入します。請求する人から病状の進み具合、障害により日常生活で困っていることなどを伝える唯一の書類です。
最後に
障害年金の請求は、認定されるのが難しいケースもあります。
認定基準や手続きの進め方で悩んだり判断が付かなかったりする場合は、一度年金事務所や社会保険労務士に相談してみてはいかがでしょうか。