大和社会保険労務士事務所

お知らせ

パーキンソン病の障害年金申請 事例2

2022.05.17

障害年金申請までの経緯

パーキンソン病の発病は、60歳以降の方が多いと言われていますが、この事例の方は50代でした。

数時間おきに薬を飲まなければならず、予定時間より早く症状が出始めることもあるので、常に薬を持ち歩いているという方でした。薬が切れると大変なことになるので。

一般的には、パーキンソン病は、薬が効いている時(ON)と効いていない時(OFF)の症状の差が大きい方が多いです。

診断書は、ONとOFFのどちらを書くべきかの指定はありません。しかし、今回は「ON」と「OFF」のどちらの症状を書いたのか、書くようにと年金事務所で指示されました。(初めて言われました)。

普通、症状がわかりやすいOFFの状態を書くと思います。

この方は、ONの時もOFFの時も、症状はそれほど大きくは変わらないのですが、わかりやすいOFFの状態で診断書を書いていただきました。そして年金事務所の指示通り、診断書の備考欄に「OFFの状態を書きました」と入れてもらいました。

「病歴・就労状況等申立書」には、職場の方の支援状況もしっかり書き、1日のタイムテーブル(薬を飲むサイクル、その間の症状等)や服用中の薬の説明書などと、他の添付書類もそろえて年金事務所に提出しました。

 

返戻がきました。

書類提出後1カ月経過した頃、「年金請求書にかかるご照会」という返戻がきました。

内容は、「日常生活における動作の程度」の、OFFの状態を提出するように、ということでその表がついていました。

こういう指示が来たのは初めてです。障害認定基準には明記しないで、運用で認定基準を変えてきているのかもしれません。

主治医にまたこの表を記入してもらい、提出したところ、無事2級に決定となりました。

 

 

 

記事監修
この記事を書いた人

吉成玲子

職業:大和社会保険労務士事務所 代表社労士

所属:埼玉県社会保険労務士会、障害年金法研究会

27年の銀行勤務を経て、2009年に社会保険労務士として開業。 障害年金の相談員としての経験を経て、2012年より障害年金専門社労士として活動開始。相談件数1000件以上、裁定請求300件、審査請求20件、訴訟補佐人1件(勝訴)の実績を持ち、障害年金受給後のサポートも行い、多数の研修会やセミナーで登壇も行っています。