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お知らせ

多発性硬化症と障害年金

2016.07.10

多発性硬化症とは、脳・脊髄・視神経などの中枢神経に起きる病気です。

 

中枢神経を構成している神経線維の表面は、髄鞘という鞘でおおわれています。髄鞘のおかげで素早く正確な情報伝達が可能になるのですが、その髄鞘が壊されてしまう(脱髄)病気が、多発性硬化症です。

 

昔の病理学者が病変箇所をさわってみて「硬かった」ということから、「硬化症」という名称になっていますので、体のどこかの部位が固くなるということではありません。

 

ところでこの病気は、脱髄の場所によって、さまざまな症状が出ます。症状の重さも個人差がありますが、長い年月を経て、入退院を繰り返し軽快と悪化を繰り返しているうちに徐々に進行するという、たいへんな病気です。

 

でも、今の症状が重いというだけでは、簡単には障害認定されません。

 

まず、初診日の特定に悩むことがよくあります。

 

10何年も昔のことなので、カルテの保存がないとか、自分ではその症状で受診したと思っているのに、医師が関連を認めないとか。

 

病歴申立書も丁寧に書きこまなければいけません。

 

でも、しっかりやれば認定されますので、身体に麻痺が生じたり、歩行困難になったり、視力障害が起きたりしたら、障害年金の請求を考えていただきたいと思います。

 

記事監修
この記事を書いた人

吉成玲子

職業:大和社会保険労務士事務所 代表社労士

所属:埼玉県社会保険労務士会、障害年金法研究会

27年の銀行勤務を経て、2009年に社会保険労務士として開業。 障害年金の相談員としての経験を経て、2012年より障害年金専門社労士として活動開始。相談件数1000件以上、裁定請求300件、審査請求20件、訴訟補佐人1件(勝訴)の実績を持ち、障害年金受給後のサポートも行い、多数の研修会やセミナーで登壇も行っています。