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お知らせ

障害年金の初診日の証明が取れない時

2015.01.29

 障害年金でいう初診日とは、「今の障害に関連した症状で初めて医師の診察を受けた日」です。

 

 初めて今の診断名がついた日ではありません。

 

 初診日は、今の病院から遡っていくと、10年も20年も昔だったりします。

 

 今の病院に、初診からずっと通っているという場合は問題ありません。

 

 けれど、初診の病院と診断書をかいてもらう病院が違う時は、初診の病院に連絡して、「受診状況等証明書」という書類を、当時のカルテに基づいて書いてもらいます。これが、初診日の証明書になります。

 

 ところが、病院のカルテ保存期間は医師法で5年と決められているので、5年以上昔のカルテは、保存されていないことが多いです。

 

  カルテがなくても、パソコン等に受診したという記録が残っていることもあります。

 

 その場合は、「受診状況等証明書」には、「初診日」とわかる範囲でのことを書いてもらい、「当時の受付簿、入院記録より記載したものです」というところに○をつけてもらいます。

 

 そして、診察券か何か、受診したことが証明できるものを添付した方が良いです。

 

 問題は、初診の病院に受診記録も残っていない、あるいは廃院していた、次の病院への紹介状もない、次の病院は前の病院での受診を知らなかった、というような時です。

 

 そのような時は、「受診状況等証明書が添付できない申立書」というものを書いて出すことになっています。

 

 その用紙には、自分で「傷病名」「医療機関名」「医療機関の所在地」「受診機関」等を記入します。

 

 ただし、これだけでは初診日としては認められません。

 

 この病院に受診したという証拠となる資料を付けなければ、認められないのです。

 

 診察券(日付のはいったもの)、病院からの領収書、保険給付申請時の診断書、等々。

 

 また初診の時に学校に行っていたら、成績通知表に載っているかもしれないし、担任の先生が病院に通っていたことを覚えてくれているかもしれない、など、あらゆる方法を考えて資料を作る必要があります。

 

 これをしないと、せっかく高いお金を出して診断書を書いてもらっても、「初診日が認められない」という理由で、不支給になってしまいます。

 

  障害年金の請求の準備は、初診日が確定してから始まります。

 

  あらゆる知恵を働かせて、初診日を証明できる資料をつけてくださいね。

 

 

 

 

記事監修
この記事を書いた人

吉成玲子

職業:大和社会保険労務士事務所 代表社労士

所属:埼玉県社会保険労務士会、障害年金法研究会

27年の銀行勤務を経て、2009年に社会保険労務士として開業。 障害年金の相談員としての経験を経て、2012年より障害年金専門社労士として活動開始。相談件数1000件以上、裁定請求300件、審査請求20件、訴訟補佐人1件(勝訴)の実績を持ち、障害年金受給後のサポートも行い、多数の研修会やセミナーで登壇も行っています。